千住宿開宿400年記念 お江戸の和菓子食べ歩き

  • 2025年9月30日

 

2025年で開宿400年を数える「千住宿」。宿場町として賑わった界隈で、江戸庶民が口にしたおやつに思いを馳せながら、古くから親しまれてきた和菓子を味わいましょう。

【この記事で紹介する店舗】

喜田家 梅島店(きたや うめじまてん)

千住龍田町に本店を構える「喜田家」は、1955年の創業から足立区を中心に多くの店舗を展開する地域に根づいた和菓子本舗。駅の近くや商業施設など、それぞれに立ち寄りやすいお店があるというのも嬉しいところです。

千住にちなんだ代表銘菓が数多くあり、なかでもお店の原点でもあるどら焼きははずせません。しっとりとした食感と弾力がある生地の中には、自家炊きした粒あんがたっぷり。材料にこだわり「皮と餡のバランス」を見極めて仕上げる名物の「黒糖どら焼き」以外にも、様々などら焼きを提供して楽しませてくれます。

また、千住宿開宿400年を記念した商品も各店舗にて販売中です。寺子屋や大名籠を模したユニークなボックスに人気商品を詰め合わせたものや、葛飾北斎、歌川広重の浮世絵をパッケージ化したミニ羊羹なども。地元に愛される和菓子で開宿400年を祝ってみてはいかがでしょうか。

【黒糖どら焼 六人衆 248円】
ふわふわの黒糖生地と自家炊きのあっさりとした餡が好バランス。6人の職人の手によって生まれた看板商品。
【寺子屋ボックス 1348円、大名籠ボックス 939円】
喜田家の定番を詰め合わせた寺子屋ボックス(右奥)、大名籠ボックス(左奥)。好みの商品を詰め合わせてもOKです(箱代無料)。手みやげに便利な小箱タイプ(箱代50円)もあります。
【開宿400年記念羊羹3種セット 810円】
千住の名所が描かれた浮世絵パッケージはプチギフトにもぴったり。さつま芋、本煉、抹茶の3つの味が楽しめます。

【外観・内観】

【店舗情報】

■喜田家 梅島店
電話:03-3880-3266
営業時間:9:00〜18:00
定休日:無休
席:10席
住所:足立区梅田6-33-6
予約:可
テイクアウト:可
バリアフリー対応:あり
Wi-Fi接続:なし
アクセス:東武スカイツリーライン梅島駅から徒歩約3分
HP:http://kitaya.info/
Instagram:https://www.instagram.com/kitaya_umejima/


御菓子司 たから家(おんかしつかさ たからや)

栗饅頭「栗っ娘」、栗どらやき「千住小町」を筆頭に、注文を受けてから焼くだんご、季節を彩る練り切り、本練羊羹、きり餅各種。先代が世に送り出したものと、2代目の創意に満ちた和菓子が整然と並ぶさまは親子競演さながら。なにしろ多彩な品揃えに目移り必至です。

お店があるのは宿場町通り商店街。かつては米俵などの物資や収穫物を運ぶ大八車が行き交っていたそうです。文字通り俵を模した「俵もなか」は当時の風景から生まれたお店の代表格。北海道産の最高級品種小豆‟豊祝”を贅沢に使ったつぶしあんの存在感が際立つ逸品です。小豆は邪気を払い、米俵は富の象徴であることから縁起物として贈答品にも好まれています。

秋には芋の風味と自然な甘さがあとを引く「芋ようかん」が期間限定でお目見え。いつ訪れても和菓子の旬を味わえるお店です。

【俵もなか(5個入り) 980円】
俵型に福俵の文字。皮の中にはつぶしあんがみっしりで食べ応えがあり、小豆のひと粒ひと粒を実感できます。
【季節の練り切り 各250円】
季節の移ろいを細やかな手作業で表現する練り切り。小さいながらもショーケースの花形に目を奪われます。
和菓子作りは天候に左右されることが多く「素材と対話しながら向き合う」と話す2代目の鯨井博さん。奥さまと二人三脚で営みます。

【外観・内観】


【店舗情報】

■御菓子司 たから家
電話:03-3888-3915
営業時間:10:00〜17:30
定休日:木曜、月2回水曜休
席:なし
住所:足立区千住4-19-13
予約:可
テイクアウト:可
バリアフリー対応:あり
Wi-Fi接続:なし
アクセス:JR常磐線ほか北千住駅西口から徒歩約5分


和歌藤(わかふじ)

豆大福、おはぎ、まんじゅうといった朝生菓子が自慢。通称‟朝生”は「朝作ったものをその日のうちに」が身上で、ショーケースには定番から季節限定まで15種ほど並びます。なかでも、地元の甘党に支持されているのが豆大福。しなやかな弾力の餅と赤えんどうの優しい塩気、穏やかな甘さの粒あんの三位一体。その日のうちにどころか、買ったそばから口にしたくなる一品です。

お店を一人で切り盛りするのは和菓子職人の中野さん。ご実家も和菓子店を営み、この世界に入ったのは自然な流れだったといいます。小さな頃から身近なおやつとして和菓子に触れてきた、中野さんが作るものに共通しているのは飾らない優しい甘さ。お財布に響かない価格も魅力で、ちょっと甘いものが食べたいときのおやつにひとつふたつと手が伸びてしまうはずです。

【豆大福 110円、かのこ 120円】
まずは人気の豆大福を。あんこ好きなら、こしあんに蜜漬けの小豆をまとわせたかのこ(鹿の子)がおすすめ。
【道明寺 110円】
通年提供する道明寺も人気商品のひとつ。桜の時期には薄い生地であんこを包んだ、いわゆる関東風の桜餅も登場します。
【どら焼き(こしあん、粒あん) 各110円、栗どら 150円、梅どら 150円】
どら焼きは4種。いち推しは白あんと青梅の甘露煮が一粒まるごと入った梅どら。

【外観・内観

【店舗情報】

■和歌藤
電話:03-3888-1170
営業時間:9:00〜18:30
定休日:第2・4日曜
席:なし
住所:足立区千住旭町22-12
予約:可
テイクアウト:可
バリアフリー対応:なし
Wi-Fi接続:なし
アクセス:JR常磐線ほか北千住駅東口から徒歩約6分


かどやの槍かけだんご(かどやのやりかけだんご)

創業1948年。昔から変わらぬ味を求めて老若男女がひっきりなし。なるほど、売り切れ御免とはこのことかと納得させられます。店名そのままに、名物は槍かけだんご。まん丸ではなく平たい顔の三兄弟で「あんだんご」と「焼きだんご」の2種類のみ。

だんごの生地には、うるち米を製粉した上新粉を使用。熱湯で練ってせいろで蒸して、冷やしてついて……と、驚くほど手をかけてようやくもちもちの食感に仕上がるのだそう。あんだんごには、なめらかな舌触りのあんがたっぷり。炭火で香ばしく焦げめをつけた焼きだんごには、甘辛いみたらしをとろ〜りとくぐらせて。あんか焼きか、どちらにしようかと迷うのはご無用。ここに来たからには、両方食べるのが正解! 迷うとしたらどっちを先に食べるか。そこが悩みの種かもしれません。

【あんだんご、焼きだんご 各120円】
ぺろりといけるサイズ感もあいまって、その場で食べるのが一番の贅沢。ベンチに腰かけて、できたてを召し上がれ。
作り置きはせず、その日の天候や客足の流れを先読みして、よき段取りで店頭に。3代目の吉岡さんご家族のチームプレイの手際よさにも見惚れてしまいます。
手土産に買い求める人も後を絶ちません。この日はすでに完売でしたが赤飯も並びます。

【外観・内観】

【店舗情報】

■かどやの槍かけだんご
電話:03-3888-0682
営業時間:9:00~18:00 (売切れ次第終了)
定休日:水曜、火曜不定休
席:腰かけベンチあり
住所:足立区千住5-5-10
予約:可(数が多い場合は前日までに予約)
テイクアウト:可
バリアフリー対応:あり
Wi-Fi接続:なし
アクセス:JR常磐線ほか北千住駅西口から徒歩約10分


(この情報は、令和7年9月24日時点のものです)

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